渡邉 順子

2019.08 ハート

2019.08 ハート
順子姉ちゃんのお部屋だぁ〜
きもちいいなぁ〜
大きな筆が動いてる
黒と白のせめぎあいが…
溜息が出るほど美しいね。
一息で引かれた線が
静かな緊張感を与えてくれるのが
たまらないなぁ〜!
こどもの頃から
書道をやっていたと言ってたからな
ハート
ハート
昔の書道全集を調べていたら、
面白い人見つけたよ!
中国の唐の時代の懐素という人。
大酒飲みで酔うと髪を振りほどき、
髪に墨をつけて字を書いたんだって!
ちょっとお姉ちゃんの作風に通じるような…
う〜ん、う〜〜ん、
どうかなぁ〜
草書の達人と言われてるけど、う〜ん
酒豪のところは似てるかな。
白髪一雄ならわかるけどな!
ちがうかなぁ〜
洗練された「粋」がうむ余白美は
心の自由をかち取らないと
出来ないと考えてるんだけどなぁ…
今度は江戸吉原の
「粋」の世界かいな!
おっ!ひょっとしたら
感覚的には通じているかも知れんぞ!?
そうでしょう!
底に沈んだ日本の「余白美」が
順子姉さんのセンスで現代に
蘇ってきたんだ。
これから輝くぞぉ〜!
花が絶えない花瓶
花が絶えない花瓶
もう!
2人でわかんない話ばかりしないでよ!
ねぇ〜!それよりお姉ちゃんの
絵って色っぽくない?!
う〜ん?
黒の光沢がそう見えるのかなぁ〜
戦体 
戦体
もっと深いところから...
こう... 何か......じぃちゃん!
クウちゃんの感じた通りだよ
渡邉さんには根元的普遍性のひとつ、
エロティシズムが意識されることなく
画面に沈潜している。
だから、見る人にスーゥっと伝わる。
これは”天与の才”かな
あいたい日
あいたい日
なるほど!
それに日本伝統の余白美は現代的だし、
画面の緊張感が画品を感じさせてくれる。
何よりも大胆な構成力が素晴らしい。
この構成力が偶発的な空間を生む。
ここに未知の空間を感じるのよ。
戦体
戦体
じぃちゃん!
順子姉ちゃんはまだ30代だから
あの世からはっぱをかける
楽しみができたね!

次は青木姉ちゃんだ


日本の眼と空間
     宝塚市文化芸術センター館長 加藤 義夫

 日本的想像力とは何か。そんなことを思う時、複数の視点から生み出される様々な価値の共存を認めるところにあります。それは「多視点的まなざしの空間」とも言えます。さらにその空間性は日本人が持つ美意識につながっているとも言えます。人と自然が一体化し無の境地に向かう時、そこに「余白の美」が生まれることでしょう。「余白の美」とは不在による存在の暗示を示し、余白に意味をもたせることで観る者に気づかせることが大切だと感じてきた日本人の知恵だと言えます。他者の想像力に委ねることにより想像力がより広がりを持ちます。そのあいまいさこそが日本人の美意識の根幹をかたち創ってきたようです。それらは平安時代から現代に通底する日本の造形言語の代表格です。

(未生空間イズム2020 in 宝塚 からの抜粋)


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